【野球のチケット】
_
_
_
少年の物心が付いた時
父はいなくて女手1つで少年は育てられた。
学歴も無く特別な技術もない母は、商店の手伝いみたいな仕事で生計をたてていた。
それでも当時住んでいた場所は治安も良かった為なんとか質素に住んでいけた。
でも当然娯楽をする余裕なんかなくて
日曜日は母の手作りの弁当を持って行って近所に遊びに行っていた。
給料を貰った次の日曜日には菓子パンとサイダーを買ってくれた。
そんなある日、母が勤め先からプロ野球のチケットを2枚貰ってきた【MOCOBLING】
少年は生まれて初めてのプロ野球観戦に興奮し母はいつもより少しだけ豪華な弁当を作った。
野球場に着きチケットを見せて入ろうとすると少年と母は係員に止められてしまった。
母が貰ったのは【招待券】ではなく【優待券】だった。
チケット売り場で1人2000円ずつ払ってチケットを買わなければいけないと言われ
帰りの電車賃ぐらいしか持っていなかった少年と母は
外のベンチで弁当を食べて帰った。
電車の中で無言の母に「楽しかったよ。」と言ったら
母は「母ちゃん、ばかでごめんね。」と言って少しだけ涙をこぼした。
少年は母の優しさにハンカチを渡した。
≪ジャニーズグッズの高額買取!全国対応+送料無料の宅配買取!当社は【法人様と同じ価格で】買取致します!≫